薬による中絶は妊娠何週間目まで行えますか?
薬による中絶は、妊娠第9週まで自分で行うことができます。
より科学的なデータ:
薬による中絶は、まず妊娠第一期の早期の段階で妊娠を中絶するためのものとして提供されはじめました(法律によっては第7週以内、あるいは第9週以内での使用が義務づけられています)。今では妊娠第一期(妊娠第12週まで)において効果的であることが証明され、第二期においても有効に用いられています。13例えば2004年には、ロイヤルカレッジ(産科・産婦人科)のエビデンスに基づく臨床試験のガイドラインは、「ミフェプリストンをミソプロストールと組み合わせて用いる処方は、第9~13週の妊娠期間において中絶手術の代わりとして安全で効果的な方法である」と述べています。20
ただし第9週以降は、薬による中絶を行う女性の合併症のリスクが高くなります。 第9週という期限は、世界中の他の医療専門家によっても支持されています。2004年に開催された薬による中絶に関する国際会議における公式声明によれば、「第9週までの中絶では、プライマリー・ヘルスケアが提供した錠剤を、女性は希望や状況に応じて家庭か医療の場かいずれかで安全に用いることができます。9週目以降の薬による中絶や、妊娠第二期以降の薬による中絶は、健康センターや病院で実施することができます。4
妊娠第9週を過ぎてから薬による中絶を行ってしまったら、どうなりますか?
妊娠9週以降に薬による中絶を行っても、薬には効き目があり中絶をすることは可能です。しかし、合併症の危険が増加するため、医師の治療を受けなければならない可能性が高くなります。(どのくらいリスクか高まるかについては、下の合併症に関する表を見てください)したがって、病院の待合室や病院の近くにあるカフェで薬を服用することをお勧めします。緊急に診察が必要となる場合、病院の近くにいることができるからです。症状は流産とまったく同じです。緊急の処置が必要な場合は、中絶をしたことで女性が起訴されるかもしれないため、医師に流産をしたと伝えることが大切です。症状や治療法は流産の場合と同じです。
組織や多くの血液だけでなく、(その大きさは妊娠期間によって異なりますが)胎児が排出されることになり、見た目で胎児と分かるかもしれないことを覚えておいてください。胎児を見るのはかなりつらいかもしれません。しかしほかに方法がないなら、鋭利な物を膣に挿入したり、漂白剤といった有毒化学物質を流しこんだり、腹部に打撃を与えたりするといった危険な方法よりも、薬による中絶の方がまだ安全です。このような危険な方法は、絶対用いてはいけません!
より科学的なデータ:
薬による中絶は、妊娠第一期(第12週)まで有効であることがわかっており、妊娠第二期においてもその有効性が確かめられています。13 しかし、妊娠期間が長ければ長いほど、合併症の危険性が高くなります。薬による中絶がうまくいかない場合、あるいは大量出血により手術を行わなければならなくなる数が増加しています。. 17 104 105
妊娠期間 | さらなる診察が必要だった女性の割合 |
0~49日(第0~7週) | 2 % |
40〜63日(第7~9週) | 2.5% |
64~70日(第9~10週) | 2.7% |
71~77日(第10~11週) | 3.3% |
77~84日(第11~12週) | 5.1% |
85~91日(第12~13週 | 8% |
(処方後の医療には妊娠が継続している場合、あるいは不完全な中絶の真空吸引が含まれます。)
妊娠49〜64日(第7〜9週)では、0.2%の女性が出血のため緊急掻爬を必要とする可能性があります。(薬による中絶を行う女性500人に1人)22
これはペニシリンを使用した後に、アナフィラキシーショック(ごく稀にしか起こりません)が起こる危険性と同じくらいです。57
妊娠64日~93日(第9〜13週)では、0.4%の女性が出血のため緊急掻爬を行わなければならない可能性があります。20
妊娠第13週以上ですら、妊娠の継続、あるいは不完全な中絶により、外科的排出を必要とする女性は5.2%のみです。54
2004年に、ロイヤルカレッジ(産科・婦人科)のエビデンスに基づく臨床試験のガイドラインは、ミソプロストールとミフェプリストンを組み合わせて用いる医学的処方は妊娠9~13週目に中絶を行う女性にとって手術に変わる安全で効果的な方法であると述べています。 20
女性に法的な選択肢が他にない場合、危険な中絶を行う可能性が高いでしょう。中絶を引き起こすために、膣内に鋭利なものを挿入したり、漂白剤などの有害化学物質を流し込んだり、腹部に打撃を与えたりといった危険な中絶の方法が多様に存在します。32 他の手段を用いるよりも、薬による中絶を行う方が常に女性にとって安全です。
妊娠中のhCG(性腺刺激ホルモン)の値はどのくらいでしょうか?
最終月経から週数ごとのhCGのレベル:
妊娠第3週:5 ~50mIU/ ml
妊娠第4週:5~426mIU/ ml
妊娠第5週:18 ~7,340mIU/ ml
妊娠第6週:1,080~56,500mIU/ ml
妊娠第7〜8週:7,650~229,000mIU/ ml
妊娠第9 ~12週:25,700~288,000mIU/ ml
妊娠第13〜16週:13,300~ 254,000mIU/ ml
妊娠第17 ~24週:4,060 ~165,400mIU/ ml
妊娠第25 ~40週:3,640 ~117,000mIU/ ml
これらの数値は単なる目安に過ぎず、個々の女性のhCG値の上昇の仕方は異なります。
ほとんどの女性の場合、中絶後4~6週間ぐらいで、妊娠前の状態にもどると考えてよいでしょう。
血液型がRHマイナスの場合はどうすればよいですか?
通常、医師は血液型がRHマイナスの女性が(手術による)中絶や流産、出産を迎える際には抗Dグロブリンの注射を受けることを勧めます。胎児がRHプラスの血液型の場合、その血液がRHマイナスの女性の血液中に混じり込むと、次に生まれる赤ん坊に悪影響を与えかねない抗体ができてしまう可能性があるからです。 ただし、早期の薬による中絶や妊娠第一期(妊娠12週まで)の自然流産にに関する研究では、胎児の血液が女性の血液に入り込むことはほとんどないか、あってもごくわずかであること、また女性の体内に次の胎児に影響を与えるほどの抗体が作られることはないことが示されています。62 そこで私たちは、RHマイナスの女性でも抗Dグロブリンの注射を受けることを特にお勧めは致しません。それでも不安な方は、薬による中絶を行ってからすぐに医師の診察を受けるか病院に行くかして、流産があったことと自分の血液型がRHマイナスであることを報告してください。そこで医師が必要だと判断すれば、抗Dグロブリンの注射を受けられます。
薬を使うべきではないのはどのような場合でしょうか?
次のような場合、薬を使うべきではありません。
・誰かがあなたの妊娠を強制的にやめさせようとしている場合。
・あなた自身、妊娠を終わらせたいかどうか分からない場合。
・最終月経の最初の日が、10週間以上前の場合。
・ミフェプリストン、ミソプロストール、プロスタグランジンにアレルギーがある場合。
・次のいずれか疾患を患っている場合:慢性副腎不全、出血性疾患や出血性疾患/疾病、遺伝性porphyries。(これらの病気を患っていて、病気を患っている事実に気づいていないということはほとんどないでしょう。)
・IUDを装着している。 IUDは、薬を使用する前に取り外さなければなりません。
・子宮外妊娠の場合。
・病院や応急処置センターに1時間以内に行くことができない場所に住んでいる場合。
・同伴してくれる人がいない場合。パートナーや友人、そのほか信頼できる人に、薬を使う間、一緒にいてくれるように頼んでみてください。